「ちゃんと歯磨きしているのに、虫歯ができた」
「矯正を始めてから、歯ぐきが腫れやすくなった」
矯正治療中の患者さんから、非常によく聞く悩みです。
実はこれ、
歯磨きが足りないのではなく、“磨けていない場所”があることが原因のケースがほとんど。
そのカギを握るのが、
歯間ブラシです。
矯正中は、
通常よりも歯と歯の間・装置の周囲に汚れが溜まりやすく、
歯ブラシだけでは限界があります。
この記事では、
- なぜ矯正中に歯間ブラシが重要なのか
- 使わないとどうなるのか
- 正しいサイズ・使い方
- 毎日続けるコツ
まで、歯科医目線で徹底解説します。
なぜ矯正中は「歯間ブラシ」が必要なのか?
矯正中の口の中は「汚れが溜まりやすい構造」
矯正治療中の口腔内は、
- ワイヤー
- ブラケット
- アタッチメント
などが入り組み、
食べかす・プラーク(歯垢)が非常に残りやすい状態になります。
特に問題になるのが、
- 歯と歯の間
- ブラケットと歯の境目
- ワイヤーの下
これらは、
普通の歯ブラシでは毛先が届きません。
歯ブラシだけでは「6割しか磨けていない」
歯科の研究では、
- 歯ブラシのみ → 除去率 約60%
- 歯ブラシ+歯間清掃 → 除去率 約90%
と言われています。
つまり、
歯間ブラシを使っていない=
汚れの4割を毎日残している状態
特に矯正中は、
この「残り4割」が虫歯・歯肉炎の原因になります。
矯正中に歯間ブラシを使わないとどうなる?
① 虫歯のリスクが一気に上がる
矯正装置の周囲は、
唾液による自浄作用が弱くなり、
- プラークが停滞
- 虫歯菌が増殖
しやすい環境です。
「矯正が終わったら歯に白い斑点が残った」
これは、矯正中の磨き残しが原因であることがほとんどです。
② 歯肉炎・歯周病の進行
歯ぐきが、
- 赤く腫れる
- 出血しやすい
場合、
原因の多くは歯間部の汚れです。
歯間ブラシを使わずに矯正を続けると、
- 歯肉炎
- 歯肉退縮
につながる可能性もあります。
③ 矯正後の「後悔」につながる
矯正治療は、
- 時間
- お金
- 労力
をかけて行う治療です。
にもかかわらず、
「歯並びはきれいになったけど、虫歯ができた」
という結果では、
本末転倒と言わざるを得ません。
矯正中に使う歯間ブラシの選び方
サイズ選びが最重要
歯間ブラシは、
- 大きすぎ → 歯ぐきを傷つける
- 小さすぎ → 汚れが取れない
というリスクがあります。
基本的には、
- 無理なく入るサイズ
- 軽い抵抗感がある程度
が適正です。
※サイズは歯科医院で確認してもらうのがベストです。
ワイヤー矯正の場合
- ストレートタイプ or L字タイプ
- 細めサイズからスタート
マウスピース矯正の場合
- 通常の歯間ブラシでOK
- 歯の移動に合わせてサイズ変更が必要なことも
正しい歯間ブラシの使い方(超重要)
基本の手順
- 鏡を見ながらゆっくり挿入
- 無理に押し込まない
- 前後に2〜3回動かす
- 1歯ごとに汚れを確認
ゴシゴシ動かす必要はありません。
よくある間違い
- 力を入れすぎる
- 出血=ダメだと思ってやめてしまう
- 毎日やらない
軽い出血は、
炎症が改善されるサインであることも多く、
継続することで自然と治まります。
歯間ブラシは「1日1回」でいい?
結論から言うと、
- 最低1日1回(夜)
- できれば朝・夜2回
が理想です。
特に寝ている間は唾液が減るため、
夜の歯間清掃は必須です。
「面倒で続かない」を防ぐコツ
✔ 完璧を目指さない
「今日は前歯だけ」でもOK。
やらないより、少しでもやることが大切です。
✔ 洗面所に常に置く
取り出す手間をなくすだけで、
継続率は大きく上がります。
✔ 矯正の一部だと考える
歯間ブラシは“オプション”ではなく、
矯正治療の一工程です。
まとめ|歯間ブラシは矯正の成功を左右する
矯正中の歯間ブラシは、
- 虫歯・歯周病を防ぐ
- 矯正後の仕上がりを守る
- 将来の歯の寿命を延ばす
矯正治療の質を決める重要な要素です。
「歯並びをきれいにする」だけでなく、
「健康な歯で終わらせる」ために。
今日からぜひ、
歯間ブラシを矯正のルーティンに加えてください。