「矯正を始めてから、頭痛が増えた気がする」
「肩こりや首の重さが取れない」
「これって矯正のせい?」
矯正治療中の患者さんから、
意外と多く寄せられるのが「頭痛・肩こり」についての相談です。
一方で、
- デスクワークだから
- スマホの見すぎだから
- 年齢のせいだから
と、矯正とは関係ないと思われがちなのも事実。
しかし実は、
歯並び・噛み合わせ・顎の位置は、
頭痛や肩こりと密接に関係しています。
この記事では、
- なぜ矯正中に頭痛・肩こりが起こるのか
- 一時的なものと注意すべき症状の違い
- 自分でできる対処法
- 我慢してはいけないサイン
を、歯科医目線でわかりやすく解説します。
歯並びと頭痛・肩こりはなぜ関係するのか?
カギは「噛み合わせ」と「顎の位置」
私たちは無意識のうちに、
- 噛む
- 食いしばる
- 歯を接触させる
といった動作を、1日に何千回も行っています。
噛み合わせがズレていると、
- 顎の筋肉
- 首の筋肉
- 肩周りの筋肉
に余計な緊張がかかります。
その結果、
- 緊張型頭痛
- 首こり
- 慢性的な肩こり
につながることがあります。
矯正中に頭痛・肩こりが起こりやすい理由
① 噛み合わせが「変化の途中」だから
矯正治療中は、
- 歯が動いている
- 噛み合わせが日々変わる
という、非常に不安定な状態です。
一時的に、
- 噛みにくい
- どこで噛んでいいかわからない
と感じることがあります。
この違和感に身体が適応しようとして、
顎や首の筋肉が緊張し、頭痛や肩こりが出ることがあります。
② 無意識の「食いしばり」が増える
矯正中は、
- 違和感
- 軽い痛み
- 装置の存在感
によって、
無意識に歯を食いしばってしまう人が少なくありません。
特に、
- 集中している時
- ストレスを感じている時
- 寝ている間
に起こりやすく、
これが頭痛・肩こりの大きな原因になります。
③ 顎関節への負担が増える
噛み合わせが変わると、
顎関節(がくかんせつ)の動きも変化します。
その結果、
- 顎のだるさ
- 口を開けにくい
- 耳の周りの痛み
といった症状とともに、
こめかみの痛み・首の張りを感じることがあります。
これは大丈夫?注意が必要な頭痛・肩こり
一時的で問題ないことが多い症状
- 装置調整後、2〜3日程度の頭痛
- 軽い首・肩の張り
- 噛み合わせの違和感に伴うだるさ
これらは、
身体が新しい噛み合わせに慣れる過程で起こることが多く、
自然に軽減していくケースがほとんどです。
注意が必要なサイン
以下の場合は、
我慢せず歯科医院に相談しましょう。
- 頭痛が1週間以上続く
- 痛みが日常生活に支障をきたす
- 口が開けにくい・カクカク音がする
- 夜間の強い食いしばり・歯ぎしり
これらは、
噛み合わせの調整が必要なサインかもしれません。
矯正中の頭痛・肩こりを和らげるセルフケア
① 「歯を離す」意識を持つ
安静時、
上下の歯は接触していない状態が正常です。
- 気づいたら歯を離す
- 舌を上顎に軽く当てる
この意識だけでも、
顎と首の負担は大きく減ります。
② 首・肩を温める
- 蒸しタオル
- 入浴
で血流を良くすると、
筋肉の緊張が和らぎます。
特に調整後数日は、
冷やすより温めるのがおすすめです。
③ 硬いものを避ける
矯正中は、
- フランスパン
- ナッツ
- 硬い肉
などを無理に噛まないようにしましょう。
顎関節への負担を減らすことで、
頭痛・肩こりの予防につながります。
矯正が「頭痛・肩こりを改善する」こともある
実は、
矯正治療によって頭痛・肩こりが改善するケースも少なくありません。
- 噛み合わせが整う
- 顎の位置が安定する
- 無意識の食いしばりが減る
結果として、
「長年の肩こりが楽になった」
「頭痛薬を飲まなくなった」
という声もあります。
つまり矯正は、
- 一時的に症状が出ることもあるが
- 長期的には改善につながる可能性がある
治療だと言えます。
我慢せず「伝える」ことが大切
矯正中の頭痛・肩こりは、
- 我慢すればいい
- そのうち慣れる
と思われがちですが、
調整で改善できることも多い症状です。
違和感がある場合は、
- どのタイミングで
- どんな痛みが
- どれくらい続いているか
を、遠慮せず歯科医に伝えましょう。
まとめ|矯正中の頭痛・肩こりは「体からのサイン」
矯正中に起こる頭痛・肩こりは、
- 噛み合わせの変化
- 顎や筋肉の適応過程
によることが多く、
決して珍しいものではありません。
大切なのは、
- 正しく理解すること
- 必要以上に我慢しないこと
- 適切に対処すること
矯正治療は、
歯並びだけでなく、全身バランスにも関わる医療です。
不安や不調があれば、
「こんなこと聞いていいのかな?」と思わず、
ぜひ相談してください。