顎関節症は矯正で治る?悪化リスク・治療が向くケース・注意点を歯科医が徹底解説|台東区上野で矯正歯科|上野スマイル歯科

コラム COLUMN

顎関節症は矯正で治る?悪化リスク・治療が向くケース・注意点を歯科医が徹底解説

「口を開けるとカクッと音がする」
「顎が痛い・疲れやすい」
「朝起きると顎がだるい」

など、顎関節症の症状に悩む方から
“矯正すれば治りますか?” という質問はとても多いです。

結論を先にお伝えすると――
✔ 矯正で改善するケースはある
✔ ただし“すべての顎関節症が矯正で治るわけではない”
✔ むしろ悪化するケースもあるため、正確な診断が必須

この記事では、
顎関節症と矯正の関係・改善が期待できるケース・悪化リスク・治療前に必ず確認すべきポイント
をまとめて解説します。


1. 顎関節症は矯正で治る?結論:ケースによる

顎関節症には原因が複数あり、
矯正治療が有効なタイプと、効果が少ないタイプがあります。


【矯正で改善が期待できるケース】

① 噛み合わせのズレが原因の顎関節症

上下の歯が正しく噛み合っていないと、
顎関節に負担がかかり、痛みやクリック音につながります。

→ 噛み合わせ改善で症状が軽減することが多い


② 過度な前歯の出っ張り(上顎前突)

前歯が前に出ていると、
下顎が後ろに押し込まれる形になり、関節に負荷がかかることがあります。


③ 歯ぎしり・食いしばりを引き起こす歯列不正

歯並びがガタガタだと、
噛む筋肉が過度に緊張して顎関節症状を悪化させることがあります。

矯正で歯列が整うと、
筋肉の負担が減り、症状が改善する可能性があります。


2. 矯正では改善しにくいケースは?


① ストレスや癖が主な原因のタイプ

例:
強い食いしばり
片側だけで噛む癖
頬づえ
歯ぎしり(精神的要因)

矯正しても、行動習慣が変わらない限り改善しないことが多いです。


② 顎関節自体に炎症や損傷がある場合

関節円板の転位
顎の骨の変形
炎症(関節周囲炎)

この場合、矯正より先に
顎関節症治療(スプリントなど)が必要です。


③ 顎の骨格的な問題が大きい場合

下顎が著しく後退
顎が左右に大きくずれている

こうした骨格性の問題は
矯正単独では改善が難しいことがあります。


3. 逆に“矯正で悪化する”ケースもある?

矯正治療の途中で、
噛み合わせが一時的に変わることにより、

顎の動きが不安定
こめかみの痛み
音が大きくなる
開口しづらい

といった症状が出ることがあります。

ほとんどは一時的ですが、以下の場合は注意が必要:
無理な動かし方
患者の装着時間不足(マウスピース矯正)
歯科医の調整不足

顎関節症を持つ方は、
“顎関節症と矯正両方に詳しい歯科医” を選ぶことが重要です。


4. 顎関節症改善を目的に矯正する場合のポイント


① 事前に必ず精密検査(3Dスキャン・顎関節の状態確認)

顎関節の位置・歯の傾き・噛み合わせのズレ
これらを数値で把握することが必須。


② 顎関節症の治療と矯正を“併用”することがある

スプリント(マウスピース)
開口訓練
生活習慣の改善

矯正だけで治すのではなく、
併用することでより改善しやすくなります。


③ 痛みの出たタイミングで必ず相談

矯正中に顎に違和感が出るのは、
治療計画の軌道修正が必要なサインです。


5. まとめ:顎関節症は“噛み合わせ原因なら”矯正が有効なことが多い

噛み合わせが原因 → 改善するケース多数
癖・ストレス・炎症 → 矯正では変わらないことも
骨格の問題 → 矯正+他治療が必要
悪化リスクもあるため専門医の診断が必須

顎関節症に悩んでいる方が矯正を検討する場合は、
「顎関節 × 噛み合わせ × 矯正」 を総合的に評価してくれる医院を選ぶのが最善です。

不安な症状がある場合、
あなたの顎関節症が“矯正で改善が期待できるタイプかどうか”
まずは検査で見極めることをおすすめします。