はじめに|「3Dスキャン=正確」は本当?
マウスピース矯正の説明で、よく聞くようになった言葉が「3Dスキャンによる診断」です。
一方で、こんな疑問もよくあります。
- 型取りより本当に正確なの?
- 機械任せで大丈夫?
- どこまで信用していい?
結論から言うと、3Dスキャンは、正しく使えば従来よりも高精度な診断が可能です。
ただし、「スキャンした=精度が高い」わけではありません。
3Dスキャンとは何をしているのか
3Dスキャンとは、口腔内を光学的に読み取り、
- 歯の形
- 歯列の位置
- 噛み合わせの関係
をミクロン単位でデータ化する技術です。
従来のシリコン印象(型取り)と違い、
- 変形しない
- 気泡や歪みが出ない
- その場で確認できる
という点が大きな特徴です。
従来の型取りと比べた精度の違い
型取り(従来法)の課題
- 材料の変形
- 患者の動きによる誤差
- 嘔吐反射による不完全印象
- 技術差が出やすい
どれも、数ミリ以下のズレが積み重なる原因になります。
3Dスキャンの強み
- 非接触で歪みが出にくい
- リアルタイムで確認・修正できる
- データとして保存・比較が可能
特に矯正治療では、「歯を何ミリ動かすか」という世界のため、この精度差は非常に大きな意味を持ちます。
3Dスキャンで診断精度が上がる理由
3Dスキャンが真価を発揮するのは、診断と計画立案の段階です。
- 歯の重なり具合を立体的に把握できる
- 見えないズレを数値で確認できる
- 治療前後の変化をシミュレーションできる
これにより、
- 無理な動きを事前に避けられる
- 現実的な治療期間を設定しやすい
- 途中修正のリスクを下げられる
といったメリットにつながります。
「スキャン=診断」ではない点に注意
ここは非常に重要なポイントです。
3Dスキャンは、あくまで“情報を正確に取る道具”であり、診断そのものではありません。
- 骨格の問題
- 歯周病の有無
- 噛み合わせの力関係
- 顎の動き
これらは、レントゲン・CT・口腔内診察と組み合わせて初めて、正しい診断になります。
つまり、3Dスキャン単独では不十分で、総合診断があってこそ精度が活きるのです。
精度を左右するのは「機械」より「使う側」
同じ3Dスキャナーを使っていても、
- スキャンの取り方
- 確認の丁寧さ
- 診断経験
によって、診断の質は大きく変わります。
見落としをそのままにしていないか、スキャンデータをどう治療計画に落とし込んでいるか。
ここに、歯科医院ごとの差が出ます。
患者側のメリットは「説明のわかりやすさ」
3Dスキャン診断のもう一つの大きな利点が、説明の納得感です。
- 自分の歯並びを立体で確認できる
- どこをどう動かすのかが見える
- 治療後のイメージを共有できる
「よくわからないまま始める矯正」から、理解して選ぶ矯正へ変わってきています。
まとめ|3Dスキャンは“精度を高める基盤技術”
- 3Dスキャンは従来より歪みが少ない
- 矯正診断の再現性・予測精度が上がる
- 単独ではなく総合診断が重要
- 精度は使い手の診断力に左右される
- 患者の理解と納得感が高まる
3Dスキャンは、「最新だからすごい」のではなく、正確な矯正診断を支える土台となる技術です。
そのデータをどう読み、どう治療に反映するのか。
そこが、これからの矯正医院選びで最も重要なポイントになっていきます。