「妊娠中でもマウスピース矯正はできるの?」「お腹の赤ちゃんに影響はない?」
矯正を始めたいと思っていたタイミングで妊娠がわかると、治療を続けてよいのか悩む方は少なくありません。
マウスピース矯正は、ワイヤーや金属を使わないため妊娠中でも比較的安全に続けられる矯正法です。
ただし、体調の変化やホルモンバランスの影響を考慮して、いくつか注意すべきポイントがあります。
この記事では、妊娠中のマウスピース矯正の可否、注意点、通院の工夫などをわかりやすく解説します。
妊娠中でもマウスピース矯正は可能?
結論から言うと、体調が安定していれば妊娠中でもマウスピース矯正は可能です。
マウスピース矯正は、歯を動かすための力が比較的穏やかで、装置の取り外しも自由。
レントゲン撮影や麻酔を必要としないため、妊娠中の治療にも向いています。
一方で、妊娠の時期や体調によっては、一時的に治療を中断した方がよい場合もあります。
次の章で、妊娠期ごとの注意点を見ていきましょう。
妊娠時期別の注意点
① 妊娠初期(〜16週ごろ)
妊娠初期は、つわりやホルモンバランスの変化が大きい時期です。
歯科治療の姿勢やマウスピースの装着が負担になることもあるため、無理に治療を進めず体調を最優先にしましょう。
また、この時期はレントゲン撮影を避けるのが一般的です。
もし妊娠がわかったら、歯科医師に必ず報告し、治療計画の見直しを行うことが大切です。
② 妊娠中期(16〜28週ごろ)
体調が安定しやすいこの時期は、矯正治療に最も適した期間です。
マウスピースの調整や経過チェックなども比較的スムーズに進められます。
治療を始める場合も、中期に入ってからが安心です。
歯ぐきが腫れやすくなる時期でもあるため、矯正中はいつも以上に歯磨きとマウスピースの清潔管理を心がけましょう。
③ 妊娠後期(28週〜出産まで)
お腹が大きくなり、仰向け姿勢がつらくなる時期です。
長時間の診療や通院が負担になることもあるため、無理のないスケジュールで対応しましょう。
また、出産直前は治療を一時的に中断し、安定した時期に再開するケースもあります。
マウスピースを保管し、産後の再調整を行うことでスムーズに再開できます。
妊娠中の矯正で気をつけたいポイント
① 妊娠歯肉炎に注意
妊娠中はホルモンの影響で歯ぐきが腫れやすく、「妊娠性歯肉炎」になりやすい時期です。
マウスピース矯正中は、マウスピース内に唾液や汚れがこもりやすいため、
こまめな歯磨き・洗浄を徹底しましょう。
② つわりがあるときは無理をしない
つわりで気持ち悪くなる時期は、マウスピースを装着するのがつらいこともあります。
そんなときは無理せず、一時的に装着時間を短くしたり、歯科医師に相談して治療ペースを調整してもらいましょう。
③ マウスピースの洗浄剤・歯磨き粉にも注意
市販の強い洗浄剤や香料入りの歯磨き粉は、においで気分が悪くなる場合があります。
妊娠中は刺激の少ない洗浄剤を選ぶと快適です。
④ 定期健診を忘れずに
妊娠中は虫歯や歯周病が進行しやすいため、3〜4か月に一度の歯科チェックを受けるのがおすすめです。
矯正中に口腔環境を整えることで、母体にも胎児にも良い影響を与えます。
妊娠中にマウスピース矯正を始めるメリット
- レントゲンをほとんど使用しないため安全性が高い
- 金属を使わず、アレルギーの心配が少ない
- つわりや体調に合わせて取り外しができる
- 出産後も中断せずに続けられる
特に、長期的な治療計画が必要な方や産後も続けたい方には、柔軟性の高いマウスピース矯正が向いています。
出産後に再開・スタートする場合のポイント
出産後はホルモンバランスが落ち着き、矯正を始めるタイミングとしても適しています。
ただし、授乳中は睡眠不足になりやすいため、体調と相談しながら治療を進めましょう。
産後にスタートする場合は、妊娠中に歯科検診を受けておくことが大切です。
虫歯や歯周病のリスクを減らすことで、スムーズに治療に入れます。
よくある質問(Q&A)
Q1. 妊娠中にレントゲンを撮っても大丈夫?
A. 妊娠初期は避けますが、必要な場合は腹部を防護して最小限に抑えます。
基本的にマウスピース矯正では頻繁にレントゲンを撮る必要はありません。
Q2. 妊娠中に痛みが強いときはどうすれば?
A. マウスピース矯正の痛みは軽度で、通常は数日で落ち着きます。
市販の鎮痛剤を使用する際は、必ず産科医に相談してください。
Q3. 出産が近づいても続けて大丈夫?
A. 通院が難しくなる時期は、一時的に治療を中断しても問題ありません。
出産後に再開できるよう、マウスピースを保管しておきましょう。
まとめ:妊娠中でも無理なく、安全に続けられるマウスピース矯正
マウスピース矯正は、レントゲンや金属を使わないため、妊娠中でも安全に行える矯正治療です。
ただし、つわりや体調変化に合わせて無理をせず進めることが大切です。
治療の再開や中断を柔軟に対応してくれる医院を選べば、妊娠中も安心して矯正を続けられます。
上野スマイル歯科では、女性医師を中心に、妊娠中や授乳期の患者さまにも配慮した矯正治療を行っています。体調やライフステージに合わせた治療計画を立てられるので、妊娠中の矯正に不安がある方も気軽に相談してみてください。