自己流矯正は危険?歯科医が解説する「絶対にやってはいけない理由」|台東区上野で矯正歯科|上野スマイル歯科

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自己流矯正は危険?歯科医が解説する「絶対にやってはいけない理由」

「矯正って高いから、自分でできないかな?」「SNSで“輪ゴム矯正”や“市販マウスピース”を見たけど効果あるの?」
そんな疑問を持つ方が増えています。

近年、ネット通販や動画サイトでは「自分でできる歯並び矯正」などの情報が出回っていますが、
実はこうした**“自己流矯正”は非常に危険**です。
一時的に歯が動いたように見えても、歯や骨、歯ぐきに深刻なダメージを与える可能性があります。

この記事では、自己流矯正のリスクや実際に起きているトラブル事例、そして安全に歯並びを整えるための正しい方法を詳しく解説します。

「自己流矯正」とは?どんな方法があるのか

自己流矯正とは、歯科医院での診断・管理を受けずに、自分で歯を動かそうとする行為を指します。
SNSや動画サイトなどで紹介されることもあり、「手軽にできる」と勘違いされがちです。

代表的な例として、次のような方法があります。

  • 輪ゴムやヘアゴムを使って歯を締める

  • ネット通販の「自称マウスピース矯正」を装着する

  • 指で押して歯を動かす

  • 安価な「歯並び矯正器」を自己判断で使う

一見、歯が少し動くように見えることもありますが、それは非常に危険な兆候です。

自己流矯正の5つの危険性

① 歯が抜ける・グラグラになる

歯は骨(歯槽骨)に支えられています。
強い力や不適切な方向から圧力をかけると、歯の根を傷つけてしまい、最悪の場合は歯が抜け落ちることもあります。

矯正治療は「歯の動き」「骨の再生」「歯ぐきの健康」をすべてコントロールして行うもの。
専門的な診断なしに力を加えると、歯根が溶けてしまう「歯根吸収」という irreversible(元に戻らない)ダメージが起こることもあります。

② 噛み合わせが崩れる

歯は1本ずつ動かして良い結果が出るわけではありません。
バランスを無視して動かすと、上下の噛み合わせがずれて顎関節症を引き起こすリスクがあります。

「見た目は整ったのに噛みにくい」「顎が痛い」「口を開けると音がする」などのトラブルは、
自己流矯正による代表的な後遺症です。

③ 歯ぐきや骨が下がる

自己流で力をかけ続けると、歯ぐきが下がり、**歯の根が露出してしまう「歯肉退縮」**が起こることがあります。
これにより知覚過敏や見た目の老化が進むだけでなく、歯の寿命そのものを縮めることにもつながります。

④ 細菌感染・虫歯・口臭のリスク

市販の矯正器具やネット通販のマウスピースは、衛生管理が不十分なケースが多く見られます。
口腔内のバクテリアが繁殖しやすく、虫歯・歯周病・口臭の原因になることも。

歯科医院で提供されるマウスピースとは素材・精度・清潔度がまったく異なります。

⑤ 元に戻せない後戻り・変形

一度歯が間違った方向に動くと、骨や歯ぐきが変形し、元に戻すには再矯正や外科的治療が必要になることがあります。
自己流で短期間の変化を得ようとするほど、後戻りや永久的な変形のリスクが高くなります。

実際にあった自己流矯正のトラブル例

  • 「ゴムで前歯を締めたら歯が傾いて抜けかけた」

  • 「通販の矯正器具を2か月使ったら噛み合わせがズレて口が閉じにくくなった」

  • 「自己判断でマウスピースを付けたら、歯ぐきが腫れて痛みが止まらなかった」

いずれも、歯科医院での診断やフォローがないまま行った結果、
再治療に時間と費用がかかってしまったケースです。

安全な矯正との違い

項目

自己流矯正

歯科医院での矯正

診断

なし(見た目で判断)

精密検査・CT・シミュレーションあり

矯正力

不明確・過剰

専門医が微調整

清潔度

不衛生な素材・個人輸入品も

医療用・安全素材を使用

リスク管理

なし

定期チェック・歯ぐき管理あり

費用

一見安いがトラブル時に高額

トータル費用が明確で安全

自己流矯正は「安く・早く見た目を変える」ことに見えますが、
実際には歯を失うほどの代償を伴う可能性があります。

安全に歯並びを整えるための正しいステップ

① 精密検査を受ける

矯正治療は、歯並びだけでなく骨格や噛み合わせの状態も考慮して行います。
歯科用CTや3Dスキャナーによる診断で、正確な治療計画を立てることが大切です。

② 専門医の管理のもとで治療を進める

矯正は“歯を動かす医学”です。
経験豊富な矯正専門医が、歯の移動スピードや方向をミリ単位でコントロールします。

マウスピース矯正(インビザラインなど)も、専門医の監修があるかどうかで結果が大きく変わります。

③ 治療中の定期チェックを怠らない

矯正中は、歯ぐきや骨の反応を見ながら微調整が必要です。
オンライン相談やリモートチェックが可能な医院もあるため、忙しい方でも安全に続けられます。

よくある質問(Q&A)

Q1. SNSで見た「輪ゴム矯正」って本当に危険?
A. はい。歯に強すぎる力が加わり、歯根吸収や脱落のリスクが非常に高いです。絶対にやめましょう。

Q2. 市販の「マウスピース矯正」は使っても大丈夫?
A. 医療機器として承認されていない商品が多く、合わないマウスピースで歯を動かすのは危険です。

Q3. 自分でやってしまった場合、どうすればいい?
A. すぐに歯科医院で検査を受けましょう。早期に対応すれば、後戻りや歯のダメージを最小限にできます。

まとめ:自己流矯正は“安く見えて最も高くつく”治療

自己流矯正は、一見手軽に見えても、歯や骨を傷つける非常に危険な行為です。
正しい矯正は、歯科医師の診断と管理のもとで初めて安全に行えます。

「費用を抑えたい」「目立たない矯正がしたい」と思っている方も、
自己判断せず、まずは信頼できる歯科医院で相談しましょう。

上野スマイル歯科では、マウスピース矯正や部分矯正など、
患者さまの希望や予算に合わせた安全な治療プランを提案しています。
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