マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製 品名:インビザライン完成物薬 機法対象外) で 治療する 睡眠時無呼吸症候群
はじめに
突然ですが、皆様の日常生活の中でこのような症状はございませんか?
【睡眠時】
・いびきをかく
・呼吸が乱れる、息苦しさを感じる
【起床時】
・口が渇いている
・身体が重いと感じる
【日中】
・だるさ、倦怠感がある
・集中力が続かない
それらの症状、睡眠時無呼吸症候群かもしれません。
様々な原因で睡眠時に気道が塞がってしまい、一定時間呼吸が停止してしまう症状です。
これらの症状を放置していると命に関わる疾患に繋がる可能性もあります。
そんな睡眠時無呼吸症候群ですが、外科手術等で入院をしなくても、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名:インビザライン完成物薬機法対象外)による治療で改善できる場合がございます。
この記事では、睡眠時無呼吸症候群とはどういった症状か、また歯科治療で改善するケースについて詳しく記載いたします。
この記事を最後までご覧にいただき、治療の参考にしていただければ幸いです。
1. 睡眠時無呼吸症候群とは
■睡眠時無呼吸症候群の概要
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中、呼吸が10秒以上止まる又は低呼吸が発生している状態が1時間あたり5回以上発生している場合に診断されます。この症状は単に呼吸が止まる又は弱まるだけでありません。酸素が十分体に行き渡らないことにより心臓や脳に負担を掛け、最悪の場合命に係わる疾患(心不全・脳卒中)にまで繋がる場合があります。
また、睡眠時無呼吸症候群の目立った特徴としてはいびきが挙げられますが、こちらは睡眠時の特徴ですので本人が自覚することは困難です。
■睡眠時無呼吸症候群の原因
次に、睡眠時無呼吸症候群の原因に関して説明いたします。
分けて2つの種類があり、それぞれの種類で仕組みと原因があります。
(1) 閉塞性
こちらは、呼吸という運動自体は保たれているが、気道のどこかが何かによって閉塞されているタイプの睡眠時無呼吸症候群です。いびきをかきやすいのはこちらのタイプになります。
人間は睡眠をとる際に、仰向けになって寝ることが多く、その際重力により舌が喉の奥の方へ少し落ち込みます。
大半の人であれば舌が落ち込むだけでは気道が塞がるまでに至りませんが、以下の原因によって気道が塞がりやすくなる場合があります。
・肥満により舌に脂肪が付着し、その脂肪により気道が狭くなる場合。
・顎が小さい等により、元から気道が狭い場合。
こういった原因の場合は、適切な治療・生活習慣の改善を行うことにより症状が改善される場合が大半です。
(2) 中枢性
こちらは、脳による呼吸という運動が行われていないタイプの睡眠時無呼吸症候群です。
「中枢性」に関しては、まだ十分な解明が進んでおりませんが、脳にある呼吸のリズムを司る機関から正常に信号が送られないことが原因だと考えられています。
2. マウスピース矯正による睡眠時無呼吸症候群の治療のご紹介
①診断の流れ
冒頭で挙げたようないびき、日中の倦怠感といった症状が疑われる場合は、まずお近くの呼吸器科等の専門医へ問い合わせください。その際に検査を行い、1時間あたりの無呼吸回数が5回以上で睡眠時無呼吸症候群と診断されます。更に詳細な検査を行い睡眠時1時間あたりの無呼吸、低呼吸(※1)の回数により各重症度に分けられます。
※1:低呼吸とは、換気の50%以上の低下に、酸素飽和度(SpO2)の4%以上の低下を伴うものと定義されています。
表1:無呼吸・低呼吸指数による重症度区分
無呼吸・低呼吸指数( AHI 2 ※2 睡眠 1 時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせた回数 |
|
軽症 | 5≦ AHI 15 |
中等症 | 15 AHI 30 |
重症 | 30 AHI |
②マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名:インビザライン完成物薬機法対象外)による治療の特徴
次に、具体的な治療法に関して説明していきます。
歯科で出来る治療法として、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名:インビザライン完成物薬機法対象外)による治療法があります。
マウスピース型の矯正装置を使い、下あごを上あごよりも前方に出すように固定させることで気道を広く保ち気道を確保する治療法です。
この治療法は装置の取り外しが容易であるという点と、一度装置を作成した後は必ずしも毎月受診する必要がないという点がメリットとなります。
一方で重度の歯周病など歯や歯茎自体に問題があると矯正が正常に行われないというデメリットがあります。
また、この治療法が有効とされるのは、上記の(1)閉塞性の場合で、更に無呼吸・低呼吸指数(AHI)が30以下、つまり中等症以下の場合です。肥満の場合も下が持ち上がらないため効果が出にくいとされています。
③他の治療法との比較
次に、他の治療法を紹介した上で、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名:インビザライン完成物薬機法対象外)による治療との比較を行います。
■CPAP療法
現在欧米や日本国内で最も普及している治療方法です。「Continuous Positive Airway Pressure(経鼻的持続陽圧呼吸療法)」の頭文字をとってCPAPと呼んでいます。
CPAP装置から鼻へチューブを通して気道に直接空気を送り続けて気道を開く治療法です。
こちらは、空気を送り気道を開くため肥満などマウスピース矯正では解決できないとされた症例でも治療が成功しており、中等症~重症の場合でも治療が成功するといった点がメリットとなります。
一方で、鼻から直接空気を送り込む関係で喉が渇き、痛みやすくなる点や、継続的な通院が必要というデメリットが生じます。
■外科的手術
閉塞性睡眠時無呼吸症候群の原因が、扁桃腺肥大等の場合は外科手術で摘出するといった手法も可能です。
気道閉塞の原因を1度で根本から除去できるといったところがメリットですが、有効な場合が限定的であり、入院が必要なケースも多いといったところがデメリットです。
■各治療法の主な特徴まとめ
今までに挙げた3治療法の特徴をまとめると以下の表の通りになります。
表2:各治療法の特徴
治療法 | メリット | デメリット | 有効な重症度 |
---|---|---|---|
マウスピース型カスタムメイド矯 正歯科装置(製品名:インビザライン完成物薬機法対象外) | 取り外しが容易合計通院回数が少ない | 重症の場合は効果が薄い | 軽症・中等症 |
CPAP療法 | 多くの場合で治療効果あり | 喉を痛めやすい | 中等症~重症 |
外科手術 | 1度の施術で根本的な治療が可能 | 有効な場合が限定的 | 中等症~重症 |
マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名:インビザライン完成物薬機法対象外)による治療法は、他の治療法に比べ症状が軽度な場合に効きやすく、かつ体への負担が少ない治療法だということが分かると思います。
睡眠時無呼吸症候群は重症度、気道閉塞の原因により適切な治療法が異なってきますので、
まずはお近くの呼吸器科等の専門医にお問い合わせください。
3. まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では、睡眠時無呼吸症候群の仕組みと、治療法についてご紹介いたしました。
最後にこの記事で記載した内容をおさらいしたいと思います。
■睡眠時無呼吸症候群とは
・何らかの原因で睡眠時に呼吸が塞がれる又は止まる症状である。
・重症な場合は命に関わる疾患に繋がる可能性がある。
■マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名:インビザライン完成物薬機法対象外)による治療法
・閉塞性(何かしらが軌道を塞ぐタイプ)の場合は治療法が3種類存在する。
・マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名:インビザライン完成物薬機法対象外)で下顎を前に出すことにより気道を確保することが可能。
・マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名:インビザライン完成物薬機法対象外)は主に肥満でなく、かつ無呼吸・低呼吸指数(AHI)が30未満(中等症以下)の場合に有効。
日常で以下の症状がありお困りの方は、まずお近くの呼吸器科等の専門医をご受診ください。
【睡眠時】
・いびきをかく
・呼吸が乱れる、息苦しさを感じる
【起床時】
・口が渇いている
・身体が重いと感じる
【日中】
・だるさ、倦怠感がある
・集中力が続かない
そして無呼吸・低呼吸指数が30未満(中等症以下)と診断された場合は、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名:インビザライン完成物薬機法対象外)により症状が改善できる可能性があります。
当院では、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名:インビザライン完成物薬機法対象外)による治療を実施しております。透明のマウスピースで周囲から矯正器具が見えにくいということで、多くの患者様から好評いただいております。
睡眠時無呼吸症候群でかつ中等症以下と診断された方は一度当院のマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名:インビザライン完成物薬機法対象外)による治療をご検討ください。