矯正治療後に「歯並びはきれいになったのに、歯と歯の間が黒く見える」「前歯の根元に三角形のすき間ができた」と感じることがあります。
この黒い三角形のすき間は、ブラックトライアングルと呼ばれます。必ずしも矯正治療の失敗ではなく、歯の形や歯ぐきの状態、歯周病、年齢、歯の接触位置など複数の要因が関係します。
矯正後に歯と歯ぐきの間が黒く見えることがあります
矯正治療後に鏡を見たとき、次のように感じる方がいます。
- ✓ 歯並びはきれいになったのに、歯と歯の間が黒く見える
- ✓ 前歯の根元に三角形のすき間ができた
- ✓ 矯正前は気にならなかったのに、治療後にすき間が目立つようになった
- ✓ これは矯正の失敗なのではないかと不安になった
このように、歯と歯ぐきの間にできる黒い三角形のすき間を、一般的にブラックトライアングルと呼びます。
専門的には、歯間乳頭という歯と歯の間の歯ぐきが十分に満たされず、歯間部にすき間が見える状態です。
近年の研究でも、ブラックトライアングルは矯正治療後に見られることがある審美的な問題として扱われています。
ブラックトライアングルは、矯正後に初めて気づくことがありますが、必ずしも「矯正で歯ぐきが悪くなった」という意味ではありません。
もともとの歯の形、歯ぐきの厚み、歯周病の有無、歯の重なり方、年齢、歯を動かした後の歯と歯の接触位置など、複数の要因が関係します。
この記事では、矯正後にブラックトライアングルができる原因、できやすい人の特徴、予防の考え方、目立たなくする方法についてわかりやすく解説します。
ブラックトライアングルは、矯正治療の失敗とは限りません。歯がきれいに並んだことで、もともと隠れていた歯ぐき側のすき間が見えるようになることもあります。
ブラックトライアングルとは?
ブラックトライアングルとは、歯と歯の間、特に歯ぐき側に見える三角形の黒いすき間のことです。
前歯の間にできると、笑ったときや会話中に目立ちやすくなります。
黒く見える理由は、その部分に影ができたり、口の中の暗さが透けて見えたりするためです。
実際に黒い汚れがついているわけではなく、歯と歯ぐきの間に空間ができていることで、黒く見えることが多いです。
ブラックトライアングルができると、見た目の問題だけでなく、次のような悩みにつながることがあります。
- ✓ 食べ物が挟まりやすい
- ✓ 息が漏れて発音しにくいことがある
- ✓ 歯みがきが難しくなる
- ✓ 歯ぐきの下がりが気になる
- ✓ 矯正後の仕上がりに不満を感じる
ただし、ブラックトライアングルの大きさや原因によって、対応方法は異なります。
自然に目立ちにくくなる場合もあれば、歯の形を整えたり、歯と歯の接触位置を調整したり、審美的な治療を検討したりする場合もあります。
矯正後にブラックトライアングルができる主な原因
矯正治療後にブラックトライアングルが目立つ理由はひとつではありません。
複数の原因が重なっていることも多いため、自己判断せず、まずは原因を確認することが大切です。
重なっていた歯が並ぶことで、これまで見えなかった歯ぐき側のすき間が見えるようになることがあります。
歯ぐき側に向かって細くなる歯は、根元側にすき間が残りやすくなります。
歯間乳頭が十分に満たされないと、歯と歯の間に黒い三角形のすき間が見えやすくなります。
歯を支える骨が下がると、その上にある歯ぐきも下がりやすく、すき間が目立つことがあります。
原因1. 重なっていた歯が並び、隠れていたすき間が見えるようになった
矯正前に歯が重なっていると、歯と歯の間の歯ぐきの状態が見えにくいことがあります。
たとえば、前歯がガタガタに重なっている場合、歯と歯の間に本来すき間があっても、歯が重なっていることで隠れていることがあります。
矯正治療によって歯がきれいに並ぶと、今まで隠れていた歯ぐき側のすき間が見えるようになることがあります。
この場合、ブラックトライアングルは「矯正によって新しくできた」というより、歯が整列したことで見えるようになったと考えられることがあります。
特に、成人矯正では歯ぐきや歯を支える骨の状態がすでに完成しているため、歯を並べたあとに歯間乳頭が完全に埋まりきらないことがあります。
原因2. 歯の形が三角形に近い
ブラックトライアングルができやすい大きな要因のひとつが、歯の形です。
前歯の形には個人差があります。
大きく分けると、次のような形があります。
- ✓ 四角形に近い歯
- ✓ 卵形に近い歯
- ✓ 三角形に近い歯
三角形に近い歯は、歯の先端側が広く、歯ぐき側が細くなっています。
このような歯が並ぶと、歯の先端側は接触していても、歯ぐき側にはすき間が残りやすくなります。
つまり、歯並びがきれいに整っても、歯の形そのものによってブラックトライアングルが目立つことがあります。
特に、前歯が細長い方、歯ぐき側に向かって歯がすぼまっている方は、矯正後に歯と歯の根元のすき間が目立ちやすい傾向があります。
原因3. 歯ぐきが下がっている
歯ぐきが下がっている場合も、ブラックトライアングルができやすくなります。
歯と歯の間には、歯間乳頭と呼ばれる歯ぐきがあります。
この歯ぐきが十分に満たされていると、歯と歯の間のすき間は目立ちにくくなります。
しかし、歯ぐきが下がると、歯と歯の間の根元部分に空間ができ、黒い三角形のように見えることがあります。
歯ぐきが下がる原因には、次のようなものがあります。
- ✓ 加齢
- ✓ 歯周病
- ✓ 強すぎる歯みがき
- ✓ 歯ぐきが薄い体質
- ✓ 歯の位置
- ✓ 過去の炎症
- ✓ 噛み合わせの負担
歯周病では、歯ぐきの炎症や歯を支える骨の減少によって、歯と歯の間のすき間が黒い三角形のように見えることがあります。
Mayo Clinicも、歯周炎の症状として、歯と歯の間に新しくできる黒い三角形のようなすき間を挙げています。
矯正後にブラックトライアングルが目立つ場合、歯並びだけでなく、歯ぐきや歯周組織の状態を確認することが大切です。
原因4. 歯を支える骨の高さが下がっている
歯ぐきの形は、歯を支える骨の高さと関係しています。
歯と歯の間の骨が十分にある場合、歯ぐきもその部分を満たしやすくなります。
一方で、歯周病や加齢などによって歯を支える骨が下がっていると、歯ぐきも下がりやすくなり、ブラックトライアングルが目立つことがあります。
矯正治療では歯を動かしますが、歯ぐきや骨がどこまで回復するかには限界があります。
特に成人の場合、歯を支える骨や歯ぐきの状態によって、矯正後に歯間乳頭が十分に戻らないことがあります。
ブラックトライアングルを考えるうえでは、歯そのものの位置だけでなく、歯ぐきと骨の状態を見ることが重要です。
歯と歯が接している位置が歯ぐきから離れていると、根元側にすき間ができやすくなります。
成人矯正では、歯ぐきや骨の変化により、ブラックトライアングルが目立ちやすいことがあります。
歯周病によって骨や歯ぐきが下がっていると、矯正後に歯間部のすき間が見えやすくなります。
原因5. 歯と歯の接触位置が歯ぐきから離れている
歯と歯が接している部分を、コンタクトポイントと呼びます。
このコンタクトポイントが歯ぐきから離れた位置にあると、歯ぐき側にすき間ができやすくなります。
たとえば、歯の先端側だけが接していて、歯ぐき側に向かって歯と歯が離れている場合、ブラックトライアングルが目立ちやすくなります。
研究でも、歯と歯の接触点と歯槽骨頂との距離が、ブラックトライアングルの形成に関係する要因として示されています。
2018年の研究では、矯正治療後の上顎中切歯間・下顎中切歯間におけるオープンジンジバルエンブレジャーの発生率やリスク因子が検討されています。
この場合、歯の形をわずかに整えたり、歯と歯の接触位置を調整したりすることで、ブラックトライアングルを目立ちにくくできることがあります。
原因6. 年齢による歯ぐきや骨の変化
成人矯正では、子どもや若年層に比べてブラックトライアングルが目立ちやすいことがあります。
これは、年齢とともに歯ぐきが下がったり、歯を支える骨の高さが変化したりするためです。
2024年の研究でも、矯正治療後のブラックトライアングルの発生には、年齢、治療期間、前歯の傾きなど複数の要因が関連していると報告されています。
大人になってから矯正を始める方は、歯並びの改善だけでなく、歯周病や歯ぐきの状態も含めて治療計画を立てることが大切です。
原因7. 歯周病がある状態で矯正を行った、または歯周病が隠れていた
歯周病がある方は、ブラックトライアングルができやすい傾向があります。
歯周病が進行すると、歯を支える骨が減り、歯ぐきが下がることがあります。
その状態で歯並びを整えると、歯と歯の間のすき間が見えやすくなることがあります。
特に、矯正前に前歯が重なっていた場合、歯周病による骨や歯ぐきの減少が隠れていた可能性があります。
矯正後に歯が並ぶことで、歯ぐき側のすき間がはっきり見えるようになることがあります。
そのため、成人矯正では、矯正前に歯周病の検査を行い、歯ぐきの炎症や歯周ポケットの状態を確認することが重要です。
ブラックトライアングルは矯正の失敗なの?
ブラックトライアングルができると、「矯正治療が失敗したのでは」と不安になる方もいます。
しかし、ブラックトライアングルがあるからといって、必ずしも矯正治療の失敗とは限りません。
むしろ、ガタガタに重なっていた歯がきれいに並んだことで、もともとの歯ぐきの状態や歯の形が見えるようになった結果として、ブラックトライアングルが目立つこともあります。
もちろん、治療計画や歯の動かし方、歯周病管理、仕上げの調整によって目立ち方が変わる場合もあります。
そのため、重要なのは、次の点を確認することです。
- ✓ なぜブラックトライアングルができたのか
- ✓ 歯ぐきや骨の状態に問題があるのか
- ✓ 歯の形が原因なのか
- ✓ 追加の調整で目立ちにくくできるのか
- ✓ 審美的な治療が必要なのか
ブラックトライアングルは、原因を見極めたうえで対応方法を考える必要があります。
ブラックトライアングルができやすい人の特徴
次のような方は、矯正後にブラックトライアングルが目立ちやすい可能性があります。
歯が並んだ後に、これまで隠れていた歯ぐき側のすき間が見えやすくなることがあります。
歯の先端側は接していても、歯ぐき側に空間が残りやすい形です。
歯ぐきが薄い方は、歯ぐき下がりや炎症の影響を受けやすい傾向があります。
歯を支える骨や歯ぐきが下がっていると、矯正後にすき間が埋まりにくいことがあります。
前歯のガタガタが強かった人
矯正前に前歯の重なりが強かった方は、歯が並んだ後に歯と歯の間のすき間が見えやすくなることがあります。
重なっていた歯が整列すると、これまで隠れていた歯ぐきの形や歯間部が表に出るためです。
特に、成人で前歯のガタガタが強い場合は、治療前にブラックトライアングルの可能性について確認しておくと安心です。
三角形に近い歯の形をしている人
歯ぐき側に向かって細くなる三角形の歯は、ブラックトライアングルができやすい形です。
歯の先端側は接していても、根元側に空間が残りやすくなるためです。
このような歯の形の場合、歯の側面をわずかに整えてから歯を寄せることで、すき間を目立ちにくくできる場合があります。
歯ぐきが薄い人
歯ぐきが薄い方は、歯ぐきが下がりやすい傾向があります。
歯ぐきが薄い場合、強すぎる歯みがきや炎症、歯の移動による影響を受けやすいことがあります。
矯正治療中は、歯ぐきの状態を見ながら慎重に進める必要があります。
歯周病の既往がある人
歯周病にかかったことがある方、歯ぐきから出血しやすい方、歯周ポケットが深い方、歯石がつきやすい方は、ブラックトライアングルが目立ちやすいことがあります。
歯周病によって歯を支える骨や歯ぐきが下がっていると、矯正後に歯間部のすき間が埋まりにくくなるためです。
大人になってから矯正を始める人
成人矯正では、加齢による歯ぐきや骨の変化があるため、ブラックトライアングルのリスクが高くなることがあります。
これは大人の矯正が悪いという意味ではありません。
ただし、成人矯正では、歯並びだけでなく歯周組織の状態も含めて治療計画を立てることが大切です。
ブラックトライアングルは自然に治る?
ブラックトライアングルが自然に完全に消えるかどうかは、原因や大きさによって異なります。
矯正治療後すぐの段階では、歯ぐきが少しずつなじみ、時間とともに目立ちにくくなることがあります。
一方で、歯ぐきや骨が下がっている場合、自然に大きく回復することは難しい場合があります。
特に、次のような場合は、自然に消えることを期待するよりも、歯科医院で原因を確認し、必要に応じて処置を検討することが大切です。
- ✓ 歯周病で骨が減っている
- ✓ 歯ぐきが大きく下がっている
- ✓ 歯の形が三角形である
- ✓ コンタクトポイントが歯ぐきから離れている
- ✓ すき間が大きい
ブラックトライアングルを予防するためにできること
ブラックトライアングルは、完全に防げない場合もあります。
しかし、治療前・治療中・治療後の管理によって、リスクを抑えたり、目立ちにくくしたりできることがあります。
歯ぐきの炎症や歯周ポケットの状態を確認し、必要に応じて歯周病治療を優先します。
強くこするのではなく、適切な力で細かく磨くことが歯ぐきを守るうえで大切です。
矯正中もクリーニングや歯周状態のチェックを続けることで、炎症を予防しやすくなります。
三角形に近い歯では、IPRなどを検討して接触面を調整することがあります。
矯正前に歯周病の検査を受ける
成人矯正では、矯正前に歯周病の状態を確認することが大切です。
歯ぐきの炎症がある状態で矯正を始めると、歯周組織に負担がかかる可能性があります。
次のような症状がある場合は、矯正前に歯周病治療を優先する必要があります。
- ✓ 歯ぐきから出血する
- ✓ 歯石が多い
- ✓ 歯ぐきが腫れている
- ✓ 歯が長く見える
- ✓ 歯がグラグラする
- ✓ 口臭が気になる
歯周病を管理したうえで矯正治療を進めることで、治療中・治療後の歯ぐきのトラブルを抑えやすくなります。
歯みがきを強くしすぎない
歯ぐきを守るためには、歯みがきが大切です。
ただし、力を入れすぎたブラッシングは、歯ぐきを傷つけ、歯ぐき下がりにつながることがあります。
特に、矯正中は装置の周りに汚れが残りやすいため、丁寧に磨く必要がありますが、「強くこする」のではなく、「適切な力で細かく磨く」ことが大切です。
歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスを正しく使うことも重要です。
ただし、歯間ブラシのサイズが大きすぎると、歯ぐきを傷つける可能性があります。自分に合うサイズや使い方は、歯科医院で確認しましょう。
治療中に歯ぐきの状態を定期的に確認する
矯正治療中は、歯が動くだけでなく、歯ぐきの見え方も変化します。
そのため、歯並びだけでなく、歯ぐきの腫れ、出血、歯周ポケット、歯間部の変化なども確認することが大切です。
特に成人矯正では、矯正治療中も定期的なクリーニングを受けることで、歯周病や歯ぐきの炎症を予防しやすくなります。
歯の形に応じた治療計画を立てる
ブラックトライアングルができやすい歯の形をしている場合、治療計画の段階で対策を検討することがあります。
たとえば、歯の側面をわずかに整えるIPRを行い、歯と歯の接触面を広げてから歯を寄せることで、ブラックトライアングルを目立ちにくくできる場合があります。
IPRとは、歯と歯の間のエナメル質をごくわずかに削り、スペースや接触面を調整する処置です。
ただし、IPRはすべての方に必要な処置ではありません。
歯の形、歯の大きさ、歯並び、むし歯リスク、エナメル質の厚みを確認したうえで行う必要があります。
ブラックトライアングルを目立たなくする方法
ブラックトライアングルができた場合、原因や大きさに応じていくつかの対応方法があります。
小さなすき間であれば、歯ぐきがなじむまでしばらく様子を見ることがあります。
歯の側面をわずかに整え、接触面を広げてから歯を寄せる方法です。
歯の傾きや接触位置を調整することで、目立ち方を改善できる場合があります。
歯科用の樹脂で歯の形を補い、黒いすき間を目立ちにくくする方法です。
方法1. 経過観察する
小さなブラックトライアングルであれば、すぐに処置せず、しばらく経過を見ることがあります。
矯正直後は歯ぐきがまだ落ち着いていないことがあり、時間の経過とともに歯ぐきがなじみ、目立ち方が変わることがあります。
ただし、すき間が大きい場合や、食べ物が挟まりやすい場合、見た目が強く気になる場合は、別の対応を検討します。
方法2. IPRを行い、歯の形を整えてすき間を閉じる
ブラックトライアングルへの対応としてよく行われる方法のひとつが、IPRです。
三角形に近い歯の側面をわずかに整え、歯と歯が接する面を広くすることで、歯ぐき側のすき間を目立ちにくくします。
その後、矯正力で歯を寄せることで、ブラックトライアングルが小さくなることがあります。
この方法は、歯の形が原因でブラックトライアングルができている場合に検討されます。
ただし、削れる量には限界があります。削りすぎると歯に負担がかかるため、適切な範囲で行うことが重要です。
方法3. 追加の矯正調整を行う
歯と歯の接触位置や歯の傾きによってブラックトライアングルが目立っている場合、追加の矯正調整で改善を目指すことがあります。
たとえば、次のような方法です。
- ✓ 歯の傾きを調整する
- ✓ 歯と歯の接触位置を変える
- ✓ わずかなすき間を閉じる
- ✓ 前歯の角度を整える
ただし、すべてのブラックトライアングルが矯正だけで消えるわけではありません。
歯ぐきや骨が下がっている場合は、矯正調整だけでは限界があります。
方法4. ダイレクトボンディングで歯の形を補う
ブラックトライアングルが見た目として気になる場合、歯科用の樹脂を使って歯の形を少し補う、ダイレクトボンディングが検討されることがあります。
歯と歯の間の形を調整することで、黒いすき間を目立ちにくくする方法です。
メリットは、比較的短期間で見た目を改善しやすいことです。
一方で、樹脂は経年劣化や着色、欠けが起こることがあります。
また、形を補いすぎると清掃しにくくなり、歯ぐきの炎症につながることがあるため、歯周組織に配慮した設計が大切です。
歯の色や形も含めて審美的に整えたい場合に検討されることがあります。
歯周病が関係している場合は、まず炎症を抑え、これ以上悪化させない管理が大切です。
方法5. ラミネートベニアや被せ物で形を整える
ブラックトライアングルが大きい場合や、歯の色・形も含めて審美的に整えたい場合、ラミネートベニアや被せ物が検討されることがあります。
ラミネートベニアは、歯の表面に薄いセラミックを貼りつける治療です。
歯の形や色を整えながら、ブラックトライアングルを目立ちにくくできる場合があります。
ただし、健康な歯を削る必要がある場合があります。
また、矯正治療とは別の審美歯科治療になるため、費用やメンテナンスも考える必要があります。
ブラックトライアングルだけを理由にすぐセラミック治療を選ぶのではなく、まずは矯正的な調整やIPR、ボンディングなどで対応できるかを確認するとよいでしょう。
方法6. 歯周病治療・歯ぐきの治療を行う
歯周病が原因でブラックトライアングルが目立っている場合は、まず歯周病治療が必要です。
歯ぐきの炎症を抑え、歯石やプラークを除去し、歯周病の進行を止めることが優先されます。
ただし、歯周病で失われた歯ぐきや骨が、治療によって完全に元通りになるとは限りません。
歯ぐきの移植や再生療法が検討される場合もありますが、ブラックトライアングルの部位や大きさによって適応は限られます。
そのため、歯周病がある方は、ブラックトライアングルを治すことだけでなく、これ以上歯ぐきや骨を失わないための管理が大切です。
ブラックトライアングルを放置しても大丈夫?
ブラックトライアングルが小さく、歯ぐきに炎症がなく、清掃もしっかりできている場合は、必ずしもすぐに治療が必要とは限りません。
しかし、次のような場合は、歯科医院で相談した方がよいでしょう。
- ✓ 食べ物がよく挟まる
- ✓ 歯ぐきから出血する
- ✓ 歯ぐきが腫れる
- ✓ すき間が大きくなってきた
- ✓ 歯が長く見える
- ✓ 前歯の見た目が強く気になる
- ✓ 発音がしにくい
- ✓ 歯周病を指摘されたことがある
- ✓ 矯正後に急にすき間が目立つようになった
ブラックトライアングルそのものよりも、歯周病や清掃不良が隠れている場合があるため、見た目だけで判断しないことが大切です。
矯正後のブラックトライアングルでよくある質問
原因や大きさによっては、目立ちにくくできる場合があります。IPR、追加の矯正調整、ダイレクトボンディング、ラミネートベニア、歯周病治療などが選択肢になります。ただし、歯ぐきや骨が大きく下がっている場合、完全に元通りにするのは難しいことがあります。
必ずしも失敗とは限りません。矯正によって歯がきれいに並んだことで、もともとの歯の形や歯ぐきの状態が見えるようになり、ブラックトライアングルが目立つことがあります。ただし、治療計画や仕上げの調整によって目立ち方を改善できる場合もあるため、気になる場合は相談しましょう。
小さいものや、矯正直後で歯ぐきがまだ落ち着いていない場合は、時間とともに目立ちにくくなることがあります。一方で、歯ぐきや骨が下がっている場合、自然に完全に埋まることは難しい場合があります。
マウスピース矯正でも、ワイヤー矯正でも、ブラックトライアングルができることがあります。原因は装置の種類だけではなく、歯の形、歯ぐきの状態、歯周病、歯の重なり、歯の移動後の接触位置などが関係します。
完全に防げない場合もありますが、矯正前に歯周病の検査を受けること、治療中の歯みがきやクリーニングを徹底すること、歯の形に応じた治療計画を立てることが大切です。成人矯正では、治療前にブラックトライアングルのリスクについて説明を受けておくと安心です。
ブラックトライアングルが気になる方は、原因に合った対応を選ぶことが大切です
ブラックトライアングルは、見た目には同じように見えても、原因は人によって異なります。
歯の形が原因のこともあります。
歯ぐきが下がっていることもあります。
歯周病が関係していることもあります。
歯の接触位置や傾きが関係していることもあります。
そのため、対処法も一人ひとり違います。
「すき間を埋めたいからすぐ樹脂を盛る」「歯ぐきが下がっているから歯ぐきだけ治す」「矯正の追加だけで何とかする」と単純に決めるのではなく、まずは原因を確認したうえで、最も負担が少なく、清掃しやすく、長期的に安定しやすい方法を選ぶことが大切です。
まとめ|矯正後のブラックトライアングルは、原因を確認すれば対応できる場合があります
矯正後に歯と歯ぐきの間に黒い三角形のすき間が見えることがあります。
これをブラックトライアングルと呼びます。
ブラックトライアングルは、矯正治療後に見られることがありますが、必ずしも矯正の失敗というわけではありません。
主な原因には、次のようなものがあります。
- ✓ 重なっていた歯が並び、隠れていたすき間が見えるようになった
- ✓ 歯の形が三角形に近い
- ✓ 歯ぐきが下がっている
- ✓ 歯を支える骨の高さが下がっている
- ✓ 歯と歯の接触位置が歯ぐきから離れている
- ✓ 年齢による歯周組織の変化
- ✓ 歯周病の影響
ブラックトライアングルが気になる場合は、IPR、追加の矯正調整、ダイレクトボンディング、ラミネートベニア、歯周病治療などで目立ちにくくできる場合があります。
ただし、すべてのケースで完全に消せるわけではありません。歯ぐきや骨の状態によっては、改善に限界があることもあります。
大切なのは、見た目だけで判断せず、歯ぐき・骨・歯の形・噛み合わせ・清掃状態を含めて原因を確認することです。
矯正後にブラックトライアングルが気になる方は、まずは歯科医院で状態を確認し、自分に合った改善方法を相談してみましょう。
この記事の監修・執筆協力
“`上野スマイル歯科 院長
日本大学松戸歯学部卒業後、日本大学松戸歯学部矯正学教室に入局。1999年に日本矯正歯科学会認定医を取得し、2014年より上野スマイル歯科院長として矯正歯科治療に携わっています。
東京矯正歯科学会
マウスピース矯正
舌側矯正・MFT など
累計実績 約4,000件
2019年 インビザライン プラチナドクター
矯正後のブラックトライアングルは、歯並びが整ったことで見えるようになる場合もあります。歯の形、歯ぐきの状態、歯周病、接触位置などを確認し、必要に応じて目立ちにくくする方法を検討しましょう。
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