アライナー矯正は、透明に近いマウスピース型の装置を使って、少しずつ歯を動かしていく矯正治療です。装置が目立ちにくく、取り外しができるため、成人矯正や人前に出る仕事をしている方にも選ばれやすい治療方法です。
一方で、アライナー矯正は誰にでも向いている治療ではありません。歯並びの状態、装着時間を守れるか、自己管理ができるか、むし歯や歯周病の有無などを確認したうえで判断することが大切です。
アライナー矯正はどんな人に向いている?
アライナー矯正とは、透明に近いマウスピース型の装置を使って、少しずつ歯を動かしていく矯正治療です。
ワイヤーやブラケットを使う矯正と比べて装置が目立ちにくく、取り外しができるため、成人矯正や人前に出る仕事をしている方にも選ばれやすい治療方法です。
一方で、アライナー矯正は誰にでも向いている治療ではありません。
アメリカ矯正歯科学会も、クリアアライナーには目立ちにくい、取り外して歯みがきしやすい、食事制限が少ないといった利点がある一方、すべての歯並びに適しているわけではなく、重度の不正咬合や大きな歯の回転、大きなすき間がある場合にはワイヤー矯正の方が適していることがあると説明しています。
つまり、アライナー矯正は、次のような方にとって魅力的な選択肢です。
- ✓ 目立ちにくい矯正がいい
- ✓ 取り外しできる装置がいい
- ✓ 食事や歯みがきを普段通りに近い形で行いたい
- ✓ 矯正中の見た目の負担を抑えたい
ただし、歯並びの状態や生活習慣によって向き・不向きがあります。
この記事では、アライナー矯正に向いている人、向いていない可能性がある人、治療前に確認したいポイントをわかりやすく解説します。
アライナー矯正は「目立ちにくい便利な矯正」ですが、装着時間やセルフケアを守る必要があります。見た目の手軽さだけで選ばず、自分の歯並びと生活に合っているか確認しましょう。
アライナー矯正に向いている人の特徴
アライナー矯正に向いているかどうかは、歯並びの状態だけでなく、装着時間を守れるか、自己管理ができるか、口腔内の健康状態が安定しているかによって変わります。
ここでは、アライナー矯正に向いている人の特徴を整理します。
透明に近い装置のため、仕事中や会話中の見た目の負担を抑えやすい治療です。
取り外しできる反面、毎日の装着時間を守れるかが治療結果に大きく関係します。
食事中は装置を外せるため、ワイヤー矯正に比べて食事制限が少ない傾向があります。
装置を外して歯みがきやフロスができるため、口腔衛生を保ちやすいことが特徴です。
1. 矯正装置をできるだけ目立たせたくない人
アライナー矯正は、透明に近いマウスピース型の装置を使用するため、装着していても比較的目立ちにくいことが特徴です。
そのため、次のような方に向いています。
- ✓ 人前で話す機会が多い
- ✓ 接客業をしている
- ✓ 営業職でお客様と会う機会が多い
- ✓ 講師や受付など、口元を見られやすい仕事をしている
- ✓ 写真や動画に写る機会が多い
- ✓ 矯正していることをできるだけ周囲に知られたくない
アメリカ矯正歯科学会も、クリアアライナーは透明なプラスチックで作られており、金属の矯正装置よりも目立ちにくいため、見た目を気にする成人や10代に評価されやすいと説明しています。
ただし、アライナー矯正でも完全に見えないわけではありません。
歯の表面にアタッチメントと呼ばれる小さな突起をつけることがあります。また、近い距離で見るとマウスピースの光沢が見える場合もあります。
それでも、ワイヤー矯正に比べて装置の存在感を抑えやすいことは、アライナー矯正の大きなメリットです。
2. 装着時間をきちんと守れる人
アライナー矯正で特に重要なのが、装着時間です。
アライナー矯正は取り外しができる反面、患者さん自身が毎日きちんと装着する必要があります。
代表的なアライナー矯正であるインビザラインでは、通常、1日20〜22時間の装着が推奨されています。装着時間を守ることが治療を計画通りに進めるうえで重要です。
つまり、アライナー矯正に向いているのは、次のような方です。
- ✓ 食事と歯みがき以外は装着できる
- ✓ 外したまま長時間過ごさない
- ✓ 旅行や外食時も装着管理ができる
- ✓ 交換スケジュールを守れる
- ✓ 紛失しないように管理できる
反対に、外食が多く装着を忘れやすい方、間食が多い方、仕事中に外したままにしがちな方、マウスピースをなくしやすい方、自己管理が苦手な方は、アライナー矯正の管理が負担に感じる可能性があります。
アライナー矯正は「取り外せるから楽」という面もありますが、「取り外せるからこそ、自分で管理する責任が大きい治療」ともいえます。
3. 食事を普段通りに楽しみたい人
アライナー矯正は、食事のときにマウスピースを外します。
そのため、ワイヤー矯正のように装置に食べ物が挟まる心配が少なく、食事の制限も比較的少ないことが特徴です。
ワイヤー矯正では、硬いもの、粘着性のあるもの、装置に挟まりやすいものに注意が必要になることがあります。
一方、アライナー矯正では、食事中は装置を外せるため、普段に近い形で食事をしやすいメリットがあります。
アメリカ矯正歯科学会も、アライナーは取り外しができるため、ワイヤーやブラケットに食べ物が引っかかったり壊れたりする心配がなく、食事制限がない点を利点として挙げています。
ただし、食事のたびに外す必要があるため、外食や間食が多い方は注意が必要です。
食後に歯みがきをしてから再装着する習慣が必要になるため、生活リズムによっては面倒に感じる方もいます。
4. 歯みがきやフロスをしっかり続けたい人
アライナー矯正は、歯みがきのときに装置を外せます。
そのため、固定式のワイヤー矯正に比べると、歯ブラシやフロスを普段に近い形で使いやすいことが特徴です。
アメリカ矯正歯科学会も、アライナーは取り外しができるため、ブラッシングやフロスをしやすく、口腔衛生を保ちやすいと説明しています。
むし歯や歯周病のリスクが気になる方、歯みがきのしやすさを重視したい方にとって、アライナー矯正は検討しやすい選択肢です。
ただし、アライナーを装着する前の歯みがきが不十分だと、汚れや糖分が歯に密着した状態になり、むし歯や歯ぐきの炎症につながることがあります。
アライナー装着中は、水以外の飲み物を避けること、食後は歯を磨いてから再装着すること、アライナーを清潔に保つことが大切です。アメリカ矯正歯科学会も、アライナー装着中に水以外の飲み物を避けることや、食後に歯を磨いてから再装着することを推奨しています。
5. 軽度から中等度の歯並びの乱れを整えたい人
アライナー矯正は、軽度から中等度の歯並びの乱れに向いていることが多い治療方法です。
たとえば、次のような歯並びでは、アライナー矯正が選択肢になることがあります。
- ✓ 前歯の軽いガタつき
- ✓ 歯と歯のすき間
- ✓ 軽度の出っ歯
- ✓ 軽度の噛み合わせのズレ
- ✓ 過去の矯正後の後戻り
- ✓ 前歯の見た目の改善
インビザライン公式サイトでも、軽度から中等度の不正咬合について、症例の複雑さや装着時間などにより治療期間が変わると説明されています。
ただし、「軽そうに見える歯並び」でも、実際には奥歯の噛み合わせや顎のズレが関係していることがあります。
見た目だけでアライナー矯正に向いているかを判断するのではなく、レントゲンや口腔内スキャン、噛み合わせの診査を行ったうえで判断することが大切です。
アライナー矯正が向いているか知りたい方へ
見た目では軽い歯並びに見えても、噛み合わせや奥歯の位置が関係していることがあります。まずは現在の歯並びを確認しましょう。
6. 金属の装置に抵抗がある人
ワイヤー矯正では、金属のブラケットやワイヤーを使用することがあります。
近年は白いブラケットや目立ちにくいワイヤーもありますが、それでも装置の存在感が気になる方は少なくありません。
アライナー矯正は、金属のブラケットやワイヤーを使わないため、次のような方に向いています。
- ✓ 金属の見た目に抵抗がある
- ✓ 口元の装置感を減らしたい
- ✓ 装置が頬や唇に当たる違和感を抑えたい
- ✓ ワイヤーが刺さるトラブルを避けたい
アメリカ矯正歯科学会も、アライナーは滑らかで、歯に合わせて作られるため、不快感を抑えやすいと説明しています。
ただし、アライナーでも最初は締めつけ感や違和感が出ることがあります。また、アタッチメントが頬や唇に当たって気になることもあります。
「まったく痛くない」「まったく違和感がない」というわけではない点は理解しておきましょう。
7. 通院ごとの見た目の変化を確認しながら進めたい人
アライナー矯正では、治療計画に沿って複数枚のマウスピースを交換しながら歯を動かしていきます。
治療前に口腔内スキャンを行い、歯の動きのシミュレーションを確認できる場合もあります。
インビザライン公式サイトでは、医師が歯の3Dスキャンを行い、治療後の笑顔のイメージを確認できる場合があると説明されています。
そのため、次のような方にも向いています。
- ✓ 治療後のイメージを確認したい
- ✓ どのように歯が動くのか知りたい
- ✓ 段階的に変化を見ながら進めたい
- ✓ デジタル技術を使った治療に関心がある
ただし、シミュレーションはあくまで治療計画上の予測です。
実際の歯の動きには個人差があり、計画通りに動かない場合は追加のアライナーや治療計画の修正が必要になることがあります。
8. 矯正中もスポーツや楽器を続けたい人
アライナー矯正は取り外しができるため、スポーツや楽器演奏をしている方にも検討されやすい治療です。
たとえば、コンタクトスポーツでは、状況に応じて装置の扱いを相談できることがあります。
管楽器を演奏する方も、ワイヤー矯正に比べて口元の違和感を抑えやすい場合があります。
インビザライン公式サイトでも、アライナーはスポーツや食事の際に取り外せることが特徴として紹介されています。
ただし、スポーツ中に外す時間が長くなる場合は、1日の装着時間が不足しないように注意が必要です。
部活動や競技、楽器演奏の頻度によって向き・不向きが変わるため、治療前に歯科医師へ相談しましょう。
アライナー矯正に向いていない可能性がある人
アライナー矯正は多くの方にとって魅力的な治療方法ですが、すべての方に向いているわけではありません。
ここでは、アライナー矯正に向いていない可能性があるケースを紹介します。
装着時間が不足すると、歯が計画通りに動かず、治療期間や仕上がりに影響することがあります。
重度のガタつきや骨格的なズレがある場合は、ワイヤー矯正の方が適していることがあります。
口の中の環境が整っていない状態では、先にむし歯や歯周病の治療が必要になることがあります。
アライナーが割れたり、すり減ったりする可能性があるため、事前に確認が必要です。
1. 装着時間を守るのが難しい人
アライナー矯正で最も大切なのは、決められた時間しっかり装着することです。
装着時間が不足すると、歯が計画通りに動かず、次のようなことがあります。
- ✓ 治療期間が延びる
- ✓ アライナーが合わなくなる
- ✓ 追加の作り直しが必要になる
- ✓ 仕上がりに影響する
アメリカ矯正歯科学会も、アライナーは取り外しできるため、患者さんの装着協力度が治療成功に大きく影響し、装着が不十分だと治療が長引いたり結果に影響したりすると説明しています。
そのため、外したまま忘れやすい方、間食が多い方、生活リズムが不規則な方、自己管理が苦手な方、装着時間を守る自信がない方は、固定式のワイヤー矯正の方が向いている場合があります。
2. 歯の移動量が大きい人
歯を大きく動かす必要がある場合、アライナー矯正だけでは難しいことがあります。
たとえば、次のようなケースです。
- ✓ 歯のガタガタが強い
- ✓ 抜歯を伴う大きな歯の移動が必要
- ✓ 奥歯の噛み合わせを大きく変える必要がある
- ✓ 歯の回転が大きい
- ✓ 歯を大きく引っ張り出す必要がある
- ✓ 骨格的なズレが大きい
このようなケースでは、ワイヤー矯正の方が歯の移動を細かくコントロールしやすい場合があります。
アメリカ矯正歯科学会も、重度の不正咬合、大きな歯の回転、大きなすき間では、従来のワイヤー矯正の方が精密に対応できる場合があると説明しています。
ただし、難しいケースでも、アライナー矯正とワイヤー矯正を組み合わせることで対応できる場合もあります。
最初から「自分は無理」と決めつけず、まずは診断を受けることが大切です。
3. むし歯や歯周病がある人
むし歯や歯周病がある状態でアライナー矯正を始めるのは注意が必要です。
アライナーは歯に密着する装置です。
歯みがきが不十分な状態で装着すると、汚れや糖分が歯に接したままになり、むし歯や歯ぐきの炎症につながる可能性があります。
アメリカ矯正歯科学会も、アライナーは液体や食べ物の粒子を歯に閉じ込めることがあり、むし歯や歯周病のリスクを高める可能性があると説明しています。
そのため、矯正前には次の点を確認することが大切です。
- ✓ むし歯がないか
- ✓ 歯周病が進行していないか
- ✓ 歯ぐきから出血がないか
- ✓ 歯石がたまっていないか
- ✓ 歯みがきが適切にできているか
むし歯や歯周病がある場合は、先に治療を行い、口の中の環境を整えてからアライナー矯正を始めることが基本です。
4. 歯ぎしり・食いしばりが強い人
歯ぎしりや食いしばりが強い方は、アライナーに強い力がかかることがあります。
その結果、次のようなトラブルが起こる場合があります。
- ✓ アライナーが割れる
- ✓ ヒビが入る
- ✓ すり減る
- ✓ 穴があく
- ✓ 装着感が変わる
歯ぎしり・食いしばりがあるからといって、必ずアライナー矯正ができないわけではありません。
ただし、歯や顎にかかる力、装置の破損リスク、治療後のリテーナー管理などを考慮する必要があります。
朝起きたときに顎が疲れている方、家族に歯ぎしりを指摘されたことがある方、歯のすり減りがある方は、矯正相談時に必ず伝えましょう。
5. 食後の歯みがきが難しい人
アライナー矯正では、食事のときに装置を外し、食後に歯みがきをしてから再装着することが大切です。
外食が多い方や、仕事中に歯みがきの時間を取りにくい方は、この習慣が負担になることがあります。
たとえば、次のような方は、アライナーの管理方法を事前に考えておく必要があります。
- ✓ 営業で外回りが多い
- ✓ 会食が多い
- ✓ 職場で歯みがきしにくい
- ✓ 間食や甘い飲み物が多い
- ✓ 長時間移動が多い
アライナー矯正そのものは取り外しできて便利ですが、食後のケアまで含めて続けられるかが重要です。
6. 自分で装置を管理するのが苦手な人
アライナー矯正では、外した装置をケースに入れて保管する必要があります。
ティッシュに包んで置いておくと、間違えて捨ててしまうことがあります。
ポケットやバッグにそのまま入れると、変形したり、割れたりすることもあります。
アメリカ矯正歯科学会も、外したアライナーはケースに入れて保管し、紛失や破損があった場合はすぐ矯正医に連絡するよう説明しています。
マウスピースをなくしやすい方、管理が苦手な方、小さなお子さまやペットがいる家庭では、保管方法に注意が必要です。
アライナー矯正に不安がある方へ
装着時間や自己管理に不安がある場合も、歯並びや生活スタイルに合わせて治療方法を検討できます。まずは無理なく続けられる方法を相談しましょう。
アライナー矯正が向いている歯並びの例
アライナー矯正が向いているかどうかは、最終的には診断によって決まります。
ただし、一般的には次のような歯並びでは、アライナー矯正が選択肢になりやすい傾向があります。
前歯が少し重なっている、軽度のガタガタがある場合に検討されることがあります。
すきっ歯のように、歯と歯の間にすき間がある場合も選択肢になります。
軽度の出っ歯であれば対応できる場合がありますが、骨格的な問題がある場合は慎重な判断が必要です。
過去の矯正後に前歯が少し戻ってきた場合、アライナー矯正が検討されることがあります。
前歯の軽いガタつき
前歯が少し重なっている、軽度のガタガタがある場合、アライナー矯正で対応できることがあります。
特に、奥歯の噛み合わせに大きな問題がなく、前歯の見た目を整えたい場合は、アライナー矯正が候補になります。
ただし、見た目は軽度でも、歯が並ぶスペースが大きく不足している場合は、歯を削る処置や抜歯、ワイヤー矯正の併用が必要になることがあります。
歯と歯のすき間
すきっ歯のように、歯と歯の間にすき間がある場合も、アライナー矯正が検討されることがあります。
ただし、すき間の原因が歯の大きさ、舌癖、噛み合わせ、歯周病などにある場合は、原因に応じた対応が必要です。
単にすき間を閉じるだけでは、後戻りしやすい場合があります。
軽度の出っ歯
軽度の出っ歯であれば、アライナー矯正で対応できる場合があります。
ただし、上の前歯が大きく前に出ている場合や、骨格的な問題がある場合、抜歯を伴う大きな移動が必要な場合は、アライナー単独では難しいことがあります。
出っ歯の治療では、見た目だけでなく、口元の突出感、唇の閉じやすさ、奥歯の噛み合わせも確認する必要があります。
矯正後の後戻り
過去に矯正治療を受けたものの、リテーナーを使わなくなり、前歯が少し戻ってきたという方にも、アライナー矯正が検討されることがあります。
後戻りが軽度であれば、比較的短期間で対応できる場合もあります。
ただし、後戻りの原因がリテーナー不足だけでなく、舌癖、歯周病、噛み合わせ、親知らずなどにある場合は、それらも含めて確認することが大切です。
アライナー矯正を選ぶ前に確認したいこと
アライナー矯正に興味がある方は、治療を始める前に次の点を確認しておきましょう。
希望だけで決めず、診断を受けてアライナー矯正の適応を確認することが大切です。
仕事、外食、旅行、間食の習慣を考えたうえで、装着時間を守れるか確認しましょう。
前歯だけの治療と全体矯正では、費用や期間が大きく変わることがあります。
透明なマウスピースだけでなく、アタッチメントや顎間ゴムが必要になることがあります。
本当にアライナー矯正で対応できる歯並びか
アライナー矯正を希望していても、歯並びや噛み合わせの状態によっては、ワイヤー矯正の方が適していることがあります。
アメリカ歯科医師会も、歯列矯正にはさまざまな方法があり、どの治療方法になるかは本人の希望と歯科医師・矯正医が提示する選択肢によって決まると説明しています。
大切なのは、「アライナー矯正をしたい」という希望を伝えたうえで、歯科医師に適応を確認してもらうことです。
装着時間を守れる生活か
アライナー矯正は、装置の性能だけで結果が決まるわけではありません。
毎日の装着時間を守れるかどうかが非常に重要です。
食事、歯みがき、外食、仕事、旅行、スポーツ、間食の習慣などを考えたときに、1日20〜22時間の装着を続けられるかをイメージしておきましょう。
費用と期間の目安
アライナー矯正の費用や期間は、歯並びの状態や治療範囲によって異なります。
前歯だけの軽度な治療と、奥歯の噛み合わせまで含めた全体矯正では、必要な期間も費用も変わります。
また、治療中に計画修正や追加アライナーが必要になることもあります。
「安いから」「短期間で終わりそうだから」だけで選ぶのではなく、自分の歯並びに対してどこまで治療が必要なのかを確認しましょう。
アタッチメントやゴムかけが必要か
アライナー矯正では、歯を効率よく動かすために、歯の表面にアタッチメントをつけることがあります。
また、噛み合わせを整えるために、顎間ゴムを使うこともあります。
「透明なマウスピースだけで完結する」と思っていると、治療開始後にギャップを感じることがあります。
治療前に、次のような点を確認しておくと安心です。
- ✓ アタッチメントはつくのか
- ✓ どの歯につくのか
- ✓ 目立ちやすい位置か
- ✓ ゴムかけは必要か
- ✓ どのくらいの期間使うのか
抜歯が必要か
アライナー矯正でも、症例によっては抜歯が必要になることがあります。
歯を並べるスペースが大きく不足している場合、前歯を大きく下げる必要がある場合、口元の突出感を改善したい場合などでは、抜歯を含めた治療計画が検討されることがあります。
ただし、抜歯が必要かどうかは、歯並び、骨格、横顔、口元、噛み合わせを総合的に見て判断します。
治療後の保定が必要か
アライナー矯正は、歯を動かして終わりではありません。
治療後は、整えた歯並びを安定させるためにリテーナーを使用します。
アメリカ歯科医師会も、矯正治療後には歯の位置を保つためにリテーナーを装着する期間があると説明しています。
リテーナーを使わないと、歯並びが後戻りすることがあります。
アライナー矯正を始める前に、治療後の保定期間やリテーナーの使用方法も確認しておきましょう。
アライナー矯正が向いている人・向いていない人のまとめ
アライナー矯正に向いている人は、次のような方です。
- ✓ 装置をできるだけ目立たせたくない
- ✓ 食事中は装置を外したい
- ✓ 普段通りに歯みがきやフロスをしたい
- ✓ 装着時間をきちんと守れる
- ✓ 自己管理が得意
- ✓ 軽度から中等度の歯並びを整えたい
- ✓ 矯正中の見た目を重視したい
- ✓ 外食や旅行中も装置管理ができる
- ✓ 治療後の保定もきちんと続けられる
一方で、次のような方は注意が必要です。
- ✓ 装着時間を守る自信がない
- ✓ 間食が多く、外す時間が長くなりやすい
- ✓ マウスピースをなくしやすい
- ✓ 歯の移動量が大きい
- ✓ 噛み合わせのズレが大きい
- ✓ 重度の歯並びの乱れがある
- ✓ むし歯や歯周病がある
- ✓ 歯ぎしり・食いしばりが強い
- ✓ 食後の歯みがきが難しい
ただし、これらに当てはまるからといって、必ずアライナー矯正ができないわけではありません。
治療方法を工夫したり、ワイヤー矯正と組み合わせたり、先にむし歯・歯周病治療を行ったりすることで対応できる場合もあります。
「アライナー矯正が向いているか」は自己判断しないことが大切です
アライナー矯正は、目立ちにくく、取り外しができる便利な治療方法です。
しかし、見た目の手軽さだけで判断すると、治療後に後悔することがあります。
アメリカ矯正歯科学会は、どの矯正治療が自分に合っているかを判断する最善の方法は、矯正歯科医に相談することだと説明しています。
特に、次のような方は一度相談してみることをおすすめします。
- ✓ 前歯のガタつきが気になる
- ✓ マウスピース矯正ができるか知りたい
- ✓ 仕事中に目立たない矯正をしたい
- ✓ ワイヤー矯正には抵抗がある
- ✓ 過去の矯正後に後戻りしてきた
- ✓ 食事や歯みがきのしやすさを重視したい
- ✓ 歯ぎしりや食いしばりがある
- ✓ むし歯や歯周病が心配
- ✓ 自分の歯並びが軽度なのか分からない
自分では「軽い歯並びの乱れ」と思っていても、実際には奥歯の噛み合わせや顎の位置が関係していることがあります。
反対に、「アライナー矯正は無理かもしれない」と思っていても、診断の結果、対応できる場合もあります。
まとめ|アライナー矯正は「目立ちにくさ」と「自己管理」を両立できる人に向いています
アライナー矯正は、透明に近いマウスピース型の装置を使う矯正治療です。
装置が目立ちにくく、取り外しができるため、仕事中の見た目、食事のしやすさ、歯みがきのしやすさを重視する方に向いています。
特に、次のような方は、アライナー矯正が選択肢になる可能性があります。
- ✓ 人前に出る仕事をしている
- ✓ 矯正中の見た目が気になる
- ✓ 食事を普段通りに楽しみたい
- ✓ 歯みがきやフロスをしっかりしたい
- ✓ 装着時間を守れる
- ✓ 自己管理ができる
- ✓ 軽度から中等度の歯並びを整えたい
一方で、装着時間を守るのが難しい方、歯の移動量が大きい方、噛み合わせのズレが大きい方、むし歯や歯周病がある方、歯ぎしり・食いしばりが強い方は、注意が必要です。
アライナー矯正は「手軽そうに見える治療」ですが、実際には診断、治療計画、装着時間、セルフケア、保定がとても重要です。
自分がアライナー矯正に向いているか知りたい方は、まずは現在の歯並びや噛み合わせを確認し、アライナー矯正で対応できるか相談してみましょう。
この記事の監修・執筆協力
“`上野スマイル歯科 院長
日本大学松戸歯学部卒業後、日本大学松戸歯学部矯正学教室に入局。1999年に日本矯正歯科学会認定医を取得し、2014年より上野スマイル歯科院長として矯正歯科治療に携わっています。
東京矯正歯科学会
マウスピース矯正
舌側矯正・MFT など
累計実績 約4,000件
2019年 インビザライン プラチナドクター
アライナー矯正は、目立ちにくさや取り外しやすさが魅力ですが、装着時間や歯並びの適応、むし歯・歯周病の状態によって向き・不向きがあります。希望だけで判断せず、まずは現在の歯並びと噛み合わせを確認しましょう。
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